鋸岳


高遠のI氏宅を訪ねた後、5月以来今期二度目の戸台に降り立つ。梅雨明け前の静かな山歩きである。	１時間半歩いて広い河原歩きも終り、ようやく山歩きらしくなってくる。鋸岳からの尾根も段々と近付いてくる。	鋸岳の案内板のある所から戸台川を渡る。渡り切った辺りにケルンがあり、広いテント適地がある。コンロを車に忘れ焚き火での炊飯となる。岩小屋までの予定であったが、空模様等考えると軽い荷物での登高が得策という結論で出合い泊まりとなった。


未明から雨。テントの中で様子を伺い待機する。小降りになったので往復コースで出掛ける。	樹林帯の中ではあまり雨も気にならない。	樹林帯を抜け出すと雨も止んでくる。ガレをコルを目指し登るが、これが間違いだったのかもしれない。

岩峰に挟まれたガレ沢を登って行く。	振り返れば南アルプス林道も下の位置に見えている。	コルが近付くにつれ風は強まりガスって来る。


コルからは明瞭な踏跡があるが、このコルは角兵衛沢左俣のコルだったのかもしれない。	雨とガスの中、20分という僅かなコースタイムと思っていたが歩けども頂上に辿り着けない。やはりコル違いであろう、当面の最高点で引き返すことにする。	風雨の強いコルから遠ざかって、雨も止みやっと落ち着ける。


ガスの中に頂上がある筈だが望む事はできない。	踏跡を辿り降りてくると、登りとはやや東側に下りて来た。早々にテントを撤収して戸台に向う。	戸台に着くともう薄暗くなっていた。各地から集まったメンバーでもあり、駒ヶ根まで飲みに行くことになった。